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記事: 【生地を知ると、Tシャツ選びが変わる。】Part.04 -綿素材と染め-

【生地を知ると、Tシャツ選びが変わる。】Part.04 -綿素材と染め-

こんにちは!ライターのマリンです🐋

『LEARN the STYLE』とはプロダクトのこと、ブランドのこと、ファッションのこと。"纏う人"の目線でLOHASTYLEを研究していく企画です。

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本日の目次

■まずはココ。生地の染め方3パターン
■「何が違うの?」着る人目線で考える
■後染め:濃色↔︎淡色で変わる風合い
■色落ち注意?後染めならではの魅力
■綿素材のおさらい&着心地レポート

■比較でわかる綿Tの多様性(BIG-T/VINTAGE-T)
■次回予告:Tシャツ生地編、最終回

LTS第4回はコットン素材に注目。同時に"染め"にも切り込みます。

染色によって、色味はもちろん着心地まで大きく変わる…そんな事実も明らかに。本日も、Tシャツ生地の「知らなかった」を探しにいきましょう!

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まずはココ。生地の染め方3パターン

染めのタイミングによって、大きく3つに分類できます。

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📝LEARNING NOTE

①先染め(糸染め)
②生地染め(反染め)
③後染め(製品染め)
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糸の段階/反(生地)になった段階/製品になった段階。どんな染料を使うかなどの前に、いつ染めるかで大きな分類ができるんですね

さらに詳しく見ていきましょう👀

 

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📝LEARNING NOTE

【①先染め/糸染め】
糸の状態で染めた後に編み上げる方法。

特徴
・色ムラが少なく均一な仕上がり
・柄物や霜降り調の色に適している
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▶︎例えば、青い糸を編んで青い生地にしたり。青い糸と生成(無染色)の糸を編む【片染め】で、霜降り調に仕上げたり。

また、糸になる前の綿(わた)の状態で染める方法も先染めに含まれます。

 

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📝LEARNING NOTE

【②生地染め/反染め】
生地を編んだ後に染める方法。

特徴
・小ロット対応が可能
・柔らかい風合いになりやすい
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▶︎ビンテージ感やナチュラルなムラ感を出すのにも、もってこいの染色方法です。

ちなみに、LOHASTYLEで大活躍のバリスティックナイロン生地もこの手法。インビスタさん(CORDURA)指定工場で紡織・生地染めされたのち、縫製工場に運ばれてバッグなどの形になります。

 

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📝LEARNING NOTE

【③後染め/製品染め】
縫製まで完了した状態で染める方法。別称ガーメントダイ。

特徴
・1点ずつ表情が異なり、独特な風合いが出る
・染色の縮率によるサイズ変化がある
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▶︎つまり、染色前の状態で完成形ぴったりの大きさだと、狙っていたイメージと仕上がりサイズがずれることも。

作り手にとっては、縮みを考慮&計算したうえでデザインする必要がある、ということですね。

 

「何が違うの?」着る人目線で考える

「染め方の大分類はわかったけど、どう活かしたらいいの?」。

"纏う人目線"を掲げるLTS、もちろんココでは終わりません。

 

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📝LEARNING NOTE

Tシャツに使われる染色の傾向

■先染め
ベーシックカラーのTシャツ

■後染め
独特のユーズド感や雰囲気、あるいは1点もののTシャツ
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いつもながら一概には言えないものの、ざっとこんな傾向があります。染め方の特徴を踏まえると納得ですよね。

(今後、服屋の店員さんに「こちら一点ずつ色味が違うんですよ〜」と声をかけられたら…染色方法を聞いてみようかな💡)

さて、冒頭で匂わせていた染色が、色味はもちろん着心地にも影響する”点。こちらも掘ってまいりましょう!

 

後染め:濃色↔︎淡色で変わる風合い

LOHASTYLE製品では、VINTAGE-Tを例に取るとわかりやすいかもしれません。

素材はともにコットン100%でも、BIG-Tは先染め/VINTAGE-Tは製品染め。

そしてVINTAGE-Tは、4カラーのうち「グレー/ターコイズ」の淡色2色と「ネイビー/スミ」の濃色2色で風合いに違いがあります。

大まかにいうと、濃色の方が硬めの風合い。では、その違いは一体どこから?🤔

 

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📝LEARNING NOTE

濃色ガーメントダイで
風合いが硬くなる主な理由

①染料使用量が多い
しっかり濃色に仕上げるため、多くの染料が必要→繊維が染料を吸着して、コーティングされたような状態に。

②定着剤や補助剤の影響
色落ちを防ぐため、強めの定着処理や洗浄工程が施される→手触りに影響することも。

③染色中の収縮や繊維ダメージ
染色工程での熱・収縮・摩擦など→生地が締まりやすい。(特に濃色は染色工程が長くなり、影響を受けやすい)
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色を出すための工程の違いが、肌触りにも違いをもたらすんですね🤲


色落ち注意?後染めならではの魅力

”纏う人”目線でもう一つ気になるのは、やはりお手入れ。染め方の違いは、Tシャツの管理方法にも影響するのでしょうか?

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📝LEARNING NOTE

■先染め:比較的色落ちが少ない
染料が糸の繊維に入り込み、深く定着しやすいため

■後染め:洗濯や摩擦で色落ちしやすい
製品表面を中心に、染料が浅く定着しやすいため
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後染めのTシャツの方が、洗い方などにより注意が必要なんですね🚿ただし、色落ちのしやすさ=必ずしもネガティブな特徴ではないんです。

 

 

濃色の後染めは特に、生地が染料でコーティングされているような状態のため、生地自体が傷みにくい傾向に。

そもそも後染めという色落ちしやすい方法をあえて選ぶのは、”ヴィンテージ感やムラ感を追求するため"ということが少なくありません。

その上、色落ちによって”洗うほどに味が出る”ということですね。同じTシャツを購入しても、使い込むほど表情が宿っていく…ロマンがあるなあ。

 

綿Tだってイロイロ!着心地レポート

“染め”についてじっくり迫ってたので、”綿”という大テーマへと戻ります。まずは第3回のおさらいから。

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📝LEARNING NOTE(復習)

【コットン素材の特徴】
◎柔らかく、肌に優しい感触
◎静電気が発生しにくい
△吸湿性が高い反面、乾きにくい
△洗濯や乾燥の際に縮む可能性あり

→日常使い、リラックスウェア、カジュアルウェア、インナー など向き
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比較でわかる綿Tの多様性(BIG-T/VINTAGE-T)

綿100%のTシャツは、LOHASTYLEだとBIG-TVINTAGE-Tが代表的(2025年6月現在)。上述のように染め方が違うほか、目付も異なります。

BIG-Tは5.6オンス、VINTAGE-Tは6.6オンスです(目付についての詳しい解説💁:LTS第2回)。

着用しての感想もしたためてみました🔽

 

BIG-T&VINTAGE-T 共通レポ

寒い時期以外は年中着られるような、ベーシックで頼もしい生地感。コットンらしい肌触りでしっかりしていますが、ゴワゴワ感は一切ありません。素肌で着ても気持ちいい

お手入れについては、綿100%ゆえ、(ナイロンなどとの混紡繊維と比べると)多少シワになりやすいです。

お洗濯後はやさしく伸ばして、キレイな形で陰干しするのがおすすめ!

 

タフ&ラフ ビッグシルエットT着レポ

素材】天竺素材
【組成】綿100%
【目付】190g/㎡(5.6oz)
【カラー】ピンク/ブルー/ベージュ/サンドカーキ

ラインの出やすいインナーの上に着用してみたのですが、生地の厚さとビッグシルエットによって、ラインをまったく拾いません。女性の方も非常に着やすいかと思います👕

レビューには生地の質感は厚手でしっかりしており長持ちしそうなので気にいりました」「生地も厚過ぎず、タフに定番Tシャツとして活躍してくれそうですとのお声も。

”先染め”に詳しくなった今、「このブルーは、糸から青いブルーだったのね」と眺めたいキモチ。色落ちしにくいとのことなので、真夏もじゃんじゃん洗ってガンガン着ようっと!

 

VINTAGE-T着レポ

【素材】天竺素材(ガーメントダイ加工)
【組成】綿100%
【目付】225g/㎡(6.6oz)
【カラー】グレー/ターコイズ/ネイビー/スミ

《淡色:グレー》
こちらはWAVEモデル洗い込んで少しくてんとしてきたような肌心地を愛しがちなため、ハイペースで着倒しそう(ご近所でお見かけの際は、また同じの着てるよとあたたかく見守ってください)。差し色好きのため、イエローのロゴが刺さっております🍋

 

 

《濃色:ネイビー》
その名も”SHONANモデル”。袖を通すと、”製品染め=濃色/淡色で風合いが変わる”を肌で感じます。違いは硬さと質感なのですが、言われなければ、厚さもほんの少しこちらが上だと錯覚するかもしれません。淡色モデルよりハリ・コシのあるしっかりした着心地です🏋️

 

次回予告:Tシャツ生地編、最終回

生地研究の5回目は、ここまでの総集編を予定!

復習にくわえて、生地ごとのおすすめ着用シーンなども(独断と偏見を交えつつ)お届けできればと思います👕

 

 

知ることは、世界の見方を変えること。選ぶ未来が変わること。STYLEを究めるコツを、ご一緒にLEARNしてまいりましょう!それではまた👋