【生地を知ると、Tシャツ選びが変わる。】Part.03 -天竺編みと素材-
こんにちは!ライターのマリンです🐋
『LEARN the STYLE』とは…
プロダクトのこと、ブランドのこと、ファッションのこと。"纏う人"の目線でLOHASTYLEを研究していく企画です。
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本日の目次
■Tシャツ生地=編み物だった!
■まずは押さえたい「天竺編み」
■生地感=素材×掛け合わせ×割合
■メジャーな素材とその特徴
■例えばナイロンひとつでも…
■次回:染め方でこんなに変わる
本日は"編み方"と"糸の素材"をクローズアップ。ミクロな視点でTシャツ生地を学んでいきましょう🏃
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Tシャツ生地=編み物だった!
服や小物の素材である"生地"。大きくは以下の2つにわけられます。
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📝LEARNING NOTE
【生地の分類】
①編み物(ニット)/②織物(テキスタイル)
【カットソー】
編み物生地を裁断(cut)・縫製(sew)してつくられたもの
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"ニット"と聞くとついセーターや靴下を思い浮かべますが、Tシャツはカットソーのひとつ。すなわち「編み物」なのですね👀
まずは押さえたい「天竺編み」
さて、メジャーな編み方の中でも特に"ド定番"といえるのが【天竺編み】。Tシャツ生地の多くがこの編み方でできています。
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📝LEARNING NOTE
【天竺(てんじく)編み/平編み】
横方向に往復して編まれる製法のひとつ。
- 特徴:生地の凹凸が少なく、表裏に違いが出やすい。
- メリット:伸縮性が高く通気性もよく快適。よこ方向に伸びて脱ぎ着しやすい。
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主な用途:肌着、カットソー、スウェット、ベッドシーツなど。
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(ちなみにインドに由来しているそうです。西遊記に出てくる"天竺"だ…!)
Tシャツ生地として最もポピュラーな天竺。裏を返すと多くのTシャツが天竺編みでできているということですが、風合いは千差万別ですよね。
その違いを生み出しているのは一体…?
生地感=素材×掛け合わせ×割合
綿・ポリエステル・ポリウレタン・レーヨン・ナイロンといった多様な素材。それぞれの糸の太さ、素材の組み合わせ、何割ずつMIXするのか。
同じ編み方でも、表現できる生地には無限のバリエーションがあります🌟
(もちろん、染め方や加工の仕方次第でも生地は千変万化!今回は紡ぐところにフォーカスしてのお届けです)
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📝LEARNING NOTE
【混紡(こんぼう)】
異なる素材の繊維を混ぜた加工のこと。"混紡糸"、"混紡生地"などと使用する。
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洗濯表示のタグにある「綿●●%、ポリエステル●●%」などはこの内訳なのでした。
複数の素材をうまくかけ合わせると、それぞれの長所は活かされ短所はカバーされます(まるで人間社会のよう😂✨)。
いつ・誰が・どんな時に・どんな場所で・なんのために・どれくらいの期間・どんなお手入れで?…使われるシーン次第で、混紡の正解も変わるということですね✍️👀
メジャーな素材とその特徴
ココからはより具体的なお話を!Tシャツの定番素材とその特徴をまとめてみました👇
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📝LEARNING NOTE
① コットン(綿)
◎柔らかく、肌に優しい感触
◎静電気が発生しにくい
△吸湿性が高い反面、乾きにくい
△洗濯や乾燥の際に縮む可能性あり
→日常使い、リラックスウェア、カジュアルウェア、インナー など向き
②ポリエステル
◎汗をかいてもすぐに乾く
◎カビや虫食いの心配が少ない
△毛玉(ピリング)が発生しやすい
△高温アイロンなどで溶ける可能性
→スポーツ、アウトドア、旅行用 など向き
③ レーヨン
◎なめらかでとろみのある肌触り
◎柔らかくしなやかな落ち感
△濡れると縮みやシワになりやすい
△摩擦によって毛羽立ちやすい
→ファッション性の高いカジュアルウェア、きれいめカジュアル、リゾートウェア など向き
④ナイロン
◎引っ張りに強く非常に丈夫
◎伸縮性に優れ、フィットする
△織り方によっては蒸れやすい
△熱に弱く高温で溶けやすい
→スポーツ(特にアウター)、アウトドア、インナー、水着、レインウェア など向き
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繰り返しになりますが、これらはあくまで「ざっくり」の特徴。
糸そのものの品質・太さ・加工法・織り方や編み方・混紡・染め方などなどでまったく違うキャラクターになります💡
例えばナイロンひとつでも…
LOHASTYLEでもおなじみ、インビスタ社製のCORDURAナイロン。アウトドアギアや軍用にも引っ張りだこなのは、一般的なナイロンの長所を強めて短所をカバーする優れた素材だからです。
ナイロンの弱点として「熱に弱く高温で溶けやすい」を挙げましたが、CORDURAナイロンは熱にも超タフ(▶︎検証記事)。
例えるなら、「赤ワイン🍷」とひと口に言っても産地や品種ごとの味わいがあるように。
Tシャツ生地にも「ナイロン混だから〇〇」「綿何%だから〇〇」とくくれない個性があるのでした。うーん、深い…!
次回:染め方でこんなに変わる
生地研究の4回目では、Tシャツを語るうえでは外せないコットン素材を扱う予定です。綿100%のTシャツ2種を比較して、生地の"染め"にフォーカス。
「先染め/後染めって、聞いたことあるけど何が違うの?」「染め方による色味や風合いの違いは?」。Tシャツ選びの視点をさらに広げます🎨
知ることは、世界の見方を変えること。選ぶ未来が変わること。STYLEを究めるコツを、ご一緒にLEARNしてまいりましょう!それではまた👋